裏切りという名の愛でした。

私の顔は涙でぐちゃぐちゃ。


話し終え、屋上は静寂に包まれる。






「許せない」


そう口を開いたのは千尋だった。





「分かってる」


「分かってない。
夢叶は何にも分かってない!」


「千尋…」






「今だって。

私がなんで
〝許せない〟って言ったか分かってる?」



「それは…」






「私たちの関係を疑ったことじゃない。

私は…
夢叶の苦しみに気付けなかった!

正直に言えばこんなことにはならなかった!

夢叶を泣かせてしまった自分が許せない!」







千尋の目からは
止まることを知らない涙が溢れ出す。