ガタン…ガタン…

電車は私達を揺らす。

『次は、南丘高校前、南丘高校前です。』

アナウンスが、私達に知らせる。

「圭、おんなじクラスだと、いいね」

「おう。」

「ふふっ。」

「ん、何笑ってんだよ?」

「ふっ、だって、圭も緊張してるんだもん。」

「べ、別に…」

「ふっ、あははっ」

「笑ってんなよー、早く、行くぞ!」

圭が手を差し出す。

その手をそっと握る。

高校に近づく度、皆の歓声が聞こえる。

「「やったぁ!同じクラスだね!」」

「「美樹ちゃぁぁぁん!クラス、離れちゃったよぉ〜」」

私は、思わず笑ってしまった。

「この学校、楽しそうだね。良かった!」

「そうだな。よしっ!俺らもクラス、見て来るか!」

結果は、私がA、圭がC組だった。

「うわーん、圭と離れちゃった〜」

「こら、わめくな。ほら、同じ校舎だろ?」

「う、うんー?」

「んじゃ、帰りに迎え行くわ。頑張れよ!」

「うん。圭ありがとう!」

☆☆

「んーと、A組の教室は、っと。ここかな?」

ひとつ深呼吸して、クラスに入ろうとすると、声をかけられた。

「ん?君も、A組?あたしは、広瀬 夕。1年間、よろしくね!」

「あ、私は、瀬戸 日向。よ、よろしくね!」

「OK!日向ね、じゃ、後で」

「うん…」

夕ちゃんは、そのまま男女混合のグループに入っていった。

私は自分の名前が貼ってある机を見つけて、座った。

式は、あと15分か。まだ時間あるなー。どうしようかな?

「日向!」

「え、あ、はいっ!夕、ちゃん?」

「日向、こっちこっち!」

夕ちゃんが手を招く。

「夕ちゃん?どうしたの?」

首を傾けると、夕ちゃんに手を引かれた。

「はーいっ、みんなに紹介するよ!瀬戸 日向!」

「あ、よろしく…えっと、日向って呼んで下さいー」

「日向ちゃん!よろしくね!」

「あ、ひーちゃんって呼ぶわ。俺、佐藤 弘樹。よろしく!」

「ひーちゃん!私、山田 花梨。よろしくーー」

みんな、ほんわかとした雰囲気で喋ってくれる。