「お母さん!ただいま!!」

「日向、合格発表、どうだったの?」

「瀬戸 日向は、無事南丘高校に受かりました!」

「良かったわね〜!!日向!…お父さんにも、報告しておいで。」

私は畳の部屋に入った。

お父さんの前で、両手を合わせた。

…私のお父さんは、小さい頃に亡くなった。

35歳だった。

仕事で乗っていた飛行機が、事故に遭ったらしい。

「お父さん。日向です。」

目を瞑る。

「私ね、圭と同じ、南丘高校に受かったよ。」

写真の中で、お父さんは優しく微笑んでいた。

『おめでとう、日向。頑張ったね。』

そんな声が聞こえた気がした。

ありがとう。お父さん。