「うん…。あたし、生きる。日向と一緒に、生きるから」

「ーー?」

強く風が吹いた。

夕の髪が、なびく。

「夕…」

声がかすれる。

儚く散る花のように、揺れる。

揺れる、髪。

綺麗すぎて、見つめるのが怖くなる。

「夕、生きて」

その言葉は風に吹かれた。