濡れた髪、 ぼたぼたと落ちるのは、 それだけじゃ無かった。 膝を抱えて、 ボロボロと涙をこぼしている。 あの時みたいだ。 だけど、俺は、決めていた。 あの赤い頭の俺の話はしない、と。 俺ともう一度、 始めから出会って欲しいから。 ま、単純に、 お兄ちゃん、と呼ばれたくない というのもあるが。 俺は深呼吸して、 言葉を発した。 「なんでこんなとこで泣いているのですか?」 自分でも驚くほど、 緊張して、 冷たい言い方になってしまったのだ。