結局、
あの日、俺はチカに声さえかけられなかった。

自分のヘタレさに
呆れる。

無事に、
チカも俺も
志望校に合格し、
春からは同じ高校に通うことに
なっていた。

姉が入学祝いに、
超高額ブランドの時計を
送ってきた。

もうジャンルも分からない
青年実業家でお金持ちの
ドバイ人と結婚したらしい。

どうやったら、
そんなに何回も結婚できるのだろう。


俺なんて
声さえかけられなかったのに。