「朔乃ー!私のアルバムに書いて!」


「私も!」


「俺のにも書いて!」


星奈を筆頭とするクラスメイト達に呼ばれ、私もその輪に加わり、アルバムを交換する。


すると、後ろから。


「あ、あの、僕のにも書いてもらえませんか……?」


おずおずと控えめな声。
それは、意外なことに人の輪に混ざるのが苦手だったはずの陽だった。


「陽……!」


「ぼ、僕も皆との思い出が欲しくて……」


陽が照れくさそうに頭をかいて苦笑する。


いつもなら、あたしが呼ばないと来られなかったのに、まさか自分からやって来るなんて。


「もちろんだよ、有明くん!」


「有明くんも、私のやつに書いて!」


「はい!ありがとうございます!」


嬉しそうにペンを手にする陽。


陽も、確実に前に進んでるんだな。


陽の心からの嬉しそうな笑顔が、あたしはとても眩しく見えた。