……どうしてこうなった。



那月に工藤椿のことを自覚させられたすぐ後のことだ。

通常なら次の授業を受けているであろうこの時間帯に、何故か工藤椿と2人で屋上にいる。



「……あなたは、那月とグルなのか?」


そう壁にもたれ掛かりくつろいでいる工藤椿に恐る恐る問いかけた。




この男は、唐突にクラスに訪れたかと思うと女の子の色めき立つ声を背景に私と那月の元に歩いてきて、



「ちょっとみちる借りていくね」




などと言い放ち、柔らかい笑みを振りまいていた割に私の気持ちなどお構いなしにここまで連れてこられてしまったのだ。


色めき立った声が悲鳴に変わったのは言うまでもない。


どちらにしろ、うるさいことには変わりないけれど。


那月も那月だ。


「せんせーに上手く言っとくからね~♪」



と上機嫌に送り出したものだから、グルだと疑わざるを負えない。




工藤椿は涼しげな顔をしながらこちらを見やると、ニヤリと挑発するかのように笑った。



「さて…どうでしょう?」



「……っ」



明らかに面白がっている。


連れてこられてる途中で、流されまいと何とか逃げ道を考えていたが、一言。



「抵抗するなら、どうなるか分かるよね?」



と権力行使するような発言をしたくせに、飄々としたものだ。