「それにしても、蘭変わったよなー。チビだし、あ!ごめん。それは変わってねーわ!メイク濃いし。あんま濃くしないほうがいんじゃね?ブスが増す。」

最低な言葉だけ言い残し、教室から出て行こうとした廉を無理やり引き止めた。

「待って。一つだけ質問させて。

なぜ霧谷っていう名字なの?」

「離婚したから。そんだけ。別に名字なんかどうでもよくね?

お前の探してる鮎川廉はもうどこにもいねぇーんだよ。」

今度は本当に出ていってしまった。

___あのとき、拒絶しないで抱きしめられてれば、こんなにも酷いこと言われなかったかな。