俳優と、恋愛と。






「この子は?」




「俺が守った女の子……」




マネージャーが指差すのは熱にうかされて寝ている篠。



もっと安心し切った顔を見たいが、熱が下がらないようでそれも叶わない。




「庇ってこんなに怪我したの?」





「男子が女子を守るのは当然だろ?」





「………まさかあなたから女子の単語が出るとはね……」





マネージャーはそれ以上何か言うつもりはないようだ。
普通科の生活を始めてマネージャーに会ったのは今日が初めてだ。

明日は”愛の叫び”の打ち合わせで会うことになっていた。





「この子が目覚める前に帰るわよ。
その頭じゃ隠し通せないわ」




そうだな。
篠が目を覚ますまでいるつもりだったが、カツラのない状態ではそれも叶わない。




帰ろうと腰を上げたときだった…。





「せ……た……」





「……篠?」




うっすら目を開けて、俺の方を見る篠。
そして俺の服の裾をつかむ。





「っ………」





そんな仕草に心が動く。





「ごめ……なさい……」