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篠を背負って、川に沿って歩き始めてどれくらい経つだろうか。
時間は昼を回っている。
学校の先生や生徒はどうしているのだろうか。
篠を背負うとき、相変わらず素直じゃない篠は自分で歩くと言ったが、フラフラな篠にそんなことさせるわけにもいかず、強引に背負った。
篠に言われたとおり進んでいるものの、周りは木、木、木。
ゴールなんて見えやしない。
「瀬田…重かったら降りるから…。
瀬田も肩痛めてるし…」
篠が遠慮がちに俺の肩をつかんでいることは明らか。
俺の怪我を心配しているんだろう。
でもそんなことを言い出すと切りが無い。
全身が痛い。でもそんなことは言っていられない。
「重くない。むしろ軽い。
落ちないようにちゃんとつかんでおけ」
そう言うと篠は黙ってしまう。
それでいい。篠はなにも心配する必要はない。
「あれ……」
わずかに光が差している…。あっちに何かあるのか?
木々の間から光が漏れる方向へ進む。
何かあるのか……?
そして抜けた。
光の差すところに出ると……。
「順路だ……」
光の差していたのは木々の間の、山登りコースの順路だった。
「篠!もうすぐ下山できる!
あと少し踏ん張れよ!」
そう篠に言ってから、慎重に、傷が痛まないように降りる。
転けたら篠も道連れだ。

