静かな山に響き渡る甲高い笑い声。
「もうっ……無理っ!あははは」
何に笑っているのかはわからないが俺は目が離せなかった。
初めて見た篠の笑顔に。
「ちょっと男らしい一面もあるじゃんとか思ったのにっ…、やっぱり瀬田ってバカなんだね!!」
要するに俺の発言がバカっぽかったってことか?
いつもなら気に障るそのことも、今は気にしている余裕もなかった。
「あー……面白い……」
笑い涙を拭う彼女。
目の前で彼女は笑っている…。
屈託のない笑顔で……。お腹を抱えて。
「篠の笑顔……初めて………見た…」
「え?」
いつも無愛想な顔か無表情か、膨れたツラしかしていない彼女の笑顔に俺は心を奪われた。
篠は…そんな風に笑うのか…。
篠の頬に自然と手が伸びる。
「な、なに……?」
途端に篠の笑顔が消える。
もっと見たい。
もっと見せてくれ。
篠の笑顔は悪くない。

