俳優と、恋愛と。






怖いなら怖いと言えばいいじゃないか…。
相変わらず考えていることがよくわからない。



はぁ、とため息をつきながらも、震えている篠を放っておくことができなかった。



まだ色んなところでゴロゴロという小さな音がする。
それを聞こえないように耳を塞ぐ篠。


俺は、篠の前にしゃがみ込み、篠の手の上から篠の耳を覆ってやった。





「まだ聞こえるか?」





篠が顔を上げて目を見開く。
あ、やっと顔を上げた…。




「あり……がとう……」





………不意打ち……。
顔を熱で少し赤く染めて、素直じゃないことには変わりなく、視線を下げて言うものの、少し素直になった篠。

なんだよ…いきなり。



でもイイと思った。
篠の素直な一面を見るのは悪くない。




「あんまりジロジロ見ないで…」




篠の表情に釘付けになっていた俺を突き放す。
可愛くない。

けど、今はこんな篠もイイなと思う。


強気のくせに怖がりな彼女が面白い。