俳優と、恋愛と。





ようやく意識が戻ったのか、いつもの篠だった。





「ずっと放置してたらますます痛めるだけだ。
それにこうしておいた方がまだ歩けるよ」





「………私はいいのよ…それより瀬田が…」




まだこの後に及んでそんなことを言う篠。





「……本当にごめんなさい……。
痛む……?」





いつも強気な篠が弱っている姿は新鮮だ。
涙で濡らした顔で俺の肩に手を添えて聞いてくる。




「大丈夫だって。
ほら、顔上げて、ちゃんと帰れるよ」





何も根拠はない。
正直どっちに向かって歩けばいいかが全然わからない。




「そんな暗い顔すんなよ…」





ゴロゴロッ…………ズドーン





どこかに落ちた……雷が…。
それも結構近いところで……。





「キャッっっ………」





咄嗟に耳を塞ぐ篠。
予想通り、雷も苦手なのか。




「雷苦手か?」





「っっうるさいぃっ……」