「本当に……可愛げないぞお前…。
少しは素直になれよな…」





わかってる。
一番言わないといけない言葉。
瀬田のくせにかっこつけてむかつくっ…。
そんな瀬田に今日は助けてもらってばかりだ。




「瀬田のバカ………ありがとう…」





「………おぅ、」





相変わらず、瀬田のメガネは私に瀬田の表情を見せてくれない。

メガネが瀬田との距離を作る。




瀬田はどんな表情をしているのだろう。
怒ってる?笑ってる?



怒ってるよね。
こんなめんどくさい女、助けたのに素直にお礼も言えない可愛げのない女。


私の性格をこんなに的確に言われたのは久しぶり。



本当に……瀬田のくせに生意気だ…。





「瀬田が……わからないよ……。」




「あ?」





「瀬田の考えてることが…、表情が……わからない……」





意識が遠のく。
少し気を抜けば倒れそう。
瀬田が私を呼ぶ声がするけど…もう疲れちゃった…。


私は瀬田に支えられながら、今日何度目かの目を閉じた。