「瀬田のバカ……ばかっ…」
涙腺が緩む。でも泣くもんな。
必死に泣かないように歯を食いしばり、目をきつくつぶる。
「バカでもいいけど…。
篠のその顔はちょっとブサイクかな……」
「は!?」
顔を上げるとメガネでどんな表情をしているかはわからないけど、ニヤッと笑う瀬田がいる。
私の目線に合わせてしゃがみこんでくれている。
「安心しろ。そんなに怖がんなって。
助かったんだからまずは感謝しろよな〜」
「……本当に…瀬田なの…?」
「………いつもの俺の方がいいですか?」
途端に敬語に戻る瀬田。
敬語で話す瀬田と、生意気に話す瀬田…。
どっちが本当の瀬田なの??
「安心しろ…どっちも俺だから…」
何が安心できるか…。
私が知りたいのはそんなことじゃない…。
本当の瀬田は…どれなの?

