俳優と、恋愛と。






そんな瀬田の顔は、枝で引っかかったのか、無数の傷が痛々しく見える。
半袖の体操服を着ていたせいで、生々しい傷が見える。




「私なんて……放っておけばよかったのに……。」





私なんて助けなかったら瀬田は…怪我なんてしなかったのに。
幸い私はぐねってしまった足以外はほぼ無傷だった。

山を転がって来たから、節々が痛むが、目立った傷が全くない。


瀬田が私をかばったからだ…。





「めんどくさがりのくせにっ…。

なんでっ…ごめんなさいっ……。

私のせいで……。

私が怪我をすればよかったのにっ…。

ごめんなさいっ…ごめんなさいっ……」





泣きたくないのに。
必死に歯を食いしばる。
泣きたくない。
助けてもらった私が泣く資格なんてない…。




ポン





「泣くなよ…、て泣いてないか。
放って置いてくれ?
そんなの知らねーよ。

俺が選んだ道だ。篠が指図するな」




瀬田が私の頭をなでる。
口調がいつもと違う。
それが妙に気に障る。



なんでこの男はこんなに強いんだろう。