瀬田と化学実験室を掃除した次の日。
まぁ普通に登校した。
教室に入ると、いつも以上にザワザワしている…なぜ?
「おはよ〜葵♪
瀬田との掃除はどうだった〜?」
美結が自分の席から私に手を振っている。
「………。
瀬田は根性あるやつだと思ったよ。
あと……私の醜態を晒した…」
「は?」
昨日は最悪だった。
瀬田の意気込みを聞いて、見直したことは事実。
頭はバカなのに、考えてることは本物で、自分をしっかり持ってる人だなと思った。
それはいいのだ。
それはそれでいいのだが、その後だ。
時間はかかるとは思ってたが、あんなに暗いなんて…。
私は暗所恐怖症。
そんな極度のものじゃないけど。
昔、真っ暗な押し入れに閉じ込められた忌々しい記憶。
それ以来暗いところはダメ。
「実験室やっぱり暗かったんだ」
美結は笑いながら話すけど、笑い事じゃない。
「弱いとこなんて見せたくないもん…」
「いや、無理でしょ」