約1時間が過ぎた。
廊下にはダンボールやゴミの山。
教室に残っていた荷物はだいぶ片付き、やっとホウキを出して掃除できるような状態になった。
ホウキで埃をはいていく。
「ケホッ」
篠さんが咳をする。
確かにこう埃っぽくては咳もでる。
「篠さん…少し外の空気を吸って来ても……」
「大丈夫……」
俺が声をかけても動揺する様子もなく、無心にホウキではいている。
まぁ本人がそう言うなら別にいいけど…。
めんどくさがりの俺がまさかパシられて、掃除することになるとは。
自分の変化に驚くばかりだった。
「瀬田さぁ…。」
沈黙を破ったのは篠さんだった。
「嫌なら嫌って…言わなきゃダメだよ…」
「………」
「……私は……一応、瀬田が努力する気はあるんだなってわかったし…、やる気のあることは認める…。
けど、こんな風に目の敵にされてる瀬田は…かっこ悪いよ…」
”かっこ悪い”
初めて言われたかもしれない。
そうか、かっこ悪いか……。
俺は、はたから見ればかっこ悪いかもしれない。
でも、これは自分で決めたこと。
俺は芸能生活をこれから送っていくために乗り越えていかないといけないんだ。

