俺しかいない部屋のはずなのに声がする。
教卓の方を見ると、そこにいたのは篠さんだった。
「なんで篠さんが……」
「……化学実験室は汚くて有名なの。
誰も使わなくて放置されっぱなし。
ゴミ屋敷って呼ぶ人もいる…。
そんな部屋を1人でやるなんて、無謀すぎるよ…。」
「………ということは…?」
「………手伝いに来てあげたの!
もうっ、言わせないでよ、早く終わらそう!」
なんだかプリプリして少し怒った口調の篠さん。
なんでも端的にこなしていく篠さんにとってトロい俺は腹が立つのかもしれない。
でもなんだかんだいって面倒見がいいのだろう。
こんな俺をわざわざ手助けしてくれるなんてな。
「さ、早く動いてよ…」
篠さんがカーテンを開けて回る。
ガタン
「キャッ」
いきなり大きな音とともに切れる電気。
篠さんが窓を開けてくれたおかげで、まだ初めよりまし…。
「何で電気きれるのよぉ…」
電気が消えたわけはわからないが、いくらスイッチを切って、入れてを繰り返しても付くことはなかった。
「この状態で始めてしまおう。」
「うん……」
篠さんが全部窓を開け終え、掃除が始まった。

