俺がドラマとかで意味も知らずに話していた英文が教科書に載っていたり、少し楽しいとも思ってしまう。


わからないことがあると調べる術のない俺は、全部前の席の篠さんに聞く。

篠さんは親切だ。
昨日も日誌を手伝ってくれたし、終わってから勉強も見てくれた。

おかげで今日の授業で先生に当てられたところは全て答えられた。


俺の質問にも嫌な顔一つせず答えてくれる。
篠さんの友達、歌田さんも然り。


あの2人も文化祭にはあまり参加したくないのか、俺の前の席の篠さんの席で楽しく話している。




そして慣れてきたパシリ。
昨日に引き続き今日もか。と思うが、本館の移動教室には行ったことが一度もないので少し興味を持ってしまった。

歌田さんは心配してくれたけど、別に気にしない。

正直面倒くさい気持ちは大きいが、仕事もないし、帰っても恋愛はできないからな。



とりあえず出会いがなければ恋愛なんてできない。
こんな地味男のことを好いてくれる物好きもきっといるはず…。
そのチャンスを掴むしかないのだ。