「どーも……」
瀬田は少し緊張気味に美結に挨拶する。
「どーも♪私は歌田美結です!
よろしくね〜」
美結は私よりも社交的だからすぐに誰とでも仲良くできる。
瀬田はそんな美結に少し驚いてはいるが、特に何も言わなかった。
「瀬田ってダメガネとか言われてるから本当に何もできないと思ったけど、葵の言う通り、ちゃんと努力してるのね…」
一瞬時間が止まる。
何私が瀬田を庇ったことを暴露しているんだ!!
それに瀬田もメガネで表情が見えないのに、驚いて固まっているのが見てわかる。
「篠さんって……」
「な…なによ……」
瀬田がいきなり名前を呼ぶから驚く。
「葵の上って名前なんですか?」
「は?」
唐突に聞かれたことに目が点になる。
なにを言ってるの、瀬田は。
しかも昨日あだ名だって言ったじゃん!
それに対して爆笑している美結。
笑いすぎだよ…。
「やっぱり努力してても頭は良くないんだね。
葵の名前は篠 葵だよ。
葵の上っていうのは、源氏物語に出てくる光源氏の1番の妻だよ」

