へーっと感心する瀬田。
本当に辞書を使ったことがないようだ。
「紙辞書だけど……貸してあげようか?」
基本的にこの学校の人はみんな電子辞書を使っているから、紙辞書はほとんど使わない。
でも電子辞書はさすがに貸せないから、家にある紙辞書を貸そうかと提案する。
「いっ、いいのか!?」
と、瀬田は喜んだような顔をして興奮気味に立ち上がる。
「う………うん……」
「よろしく頼みます」
そして深々と頭を下げた。
周りからはなんだなんだと声がする…。
「わかったから……頭あげて?」
「マジでありがとう!」
喜んでくれるのはいいのだが、辞書の使い道を知らない彼が、辞書の使い方を知っているように思えない。
また教えないといけないんだろうなとふと思う…。
「あ、勉強してるじゃん」
瀬田と会話をしていると、美結がお弁当を持って私の席に来た。
そして、私の隣の空いた席に座る。

