「それのなにが問題なの?」
有名な監督の立会いで映画撮れるなんてすごく誉なことだと思うんだけど。
「……あの人の前で粗相は許されないの。
あなたのこれからの俳優人生がかかってるわ。」
噂に聞く琴李京香は、気に入らない俳優はすぐに切る、使えない役者はすぐ捨てるという。でもそれは理不尽でなく、選ぶ目があるといえる。
琴李京香は、映画作品にぴったりの役者を選んでくるところが一番称されているのだ。
だから俺も琴李京香の思い通りの役を演じられなければポイ。というわけだ。
「なにも怖いことなんてねーよ。
要するに琴李京香に俺が役にぴったりだと思わせれればいい訳だろ?」
「まぁ…そうだけど……」
「簡単じゃん。
俺は俺の演技をする。
恋愛ものは今までからして慣れてる。
俺がぎゃふんと言わせてやるよ」
「……あなたがその気なら…私は反対しないわ…。」
渋々頷くマネージャーを片目に、俺はすごくやる気だった。
こんなチャンス2度とあるもんじゃねー。
自分の実力を大物監督に見せれるなんて。
それに、こんな大物監督の映画、売れるに決まってるだろ。
まして優秀賞の小説。
俺が絶対輝いてやる。
でも、俺の思い通りにことは進まなかったのだ…。

