「ちょっとっ……速いっ……」
葵にそう言われて走るスピードを緩め、止まる。いつの間にか自然と資料室へ足を運んでいた。
俺の中では小走り程度だったけど葵にとっては全力ランだったようで息を切らしている。
「ごめんごめん、嬉しくてついね」
部屋の奥まで行って置いてある椅子に2人で腰掛ける。葵はまだ息を整えている。
「はぁ……、ねぇ、バラしちゃって大丈夫だったの?」
「あぁ、ちゃんと許可はもらってるよ。
それに俺自身で決めたことだからね。」
「そうなんだ…」
まぁ、こんなこと、3ヶ月前の俺なら思わなかったよなぁ。
「実はさ、俺の過ごしたこの3ヶ月間の出来事を元にドラマが作られることになったんだよ」
「ほ…ほんとに?」
「うん、脚本は俺♪」
これはまさに昨日決まった話。
琴李京香こと、桐花さんがドラマにしようと言い始めたのがきっかけだけど。
「脚本って……演じないの?」
「うん」
そう、あくまで俺がするのは脚本だけ。
俺を演じてくれるのは事務所の後輩の予定だ。

