「俺にとって葵は本当に大事な人です。
だから、これから俺はもうここには来ないけど…。
葵に手を出さないでくださいね?」
そうして葵の頰にキスをする。
『キャーーーーーーーー!!!!!!!!』
そんな状況を見て楽しむ俺と、顔を真っ赤にして俺の顔を睨む葵。おぉ、怖い怖い。
「それでは、本当に3ヶ月間お世話になりました。
花束にアルバムももらえると思ってなかったんですごい嬉しいです。大切にします。」
『かっこよすぎ…』
『性格もイケメンとかありえない!』
『葵の上とお似合いすぎて文句の言いようがないよ!』
『男から見てもかっこよすぎだわ』
初めのあだ名は”ダメガネ”だったはずなのに。
名前さえ覚えられてなかったはずなのに。
瀬田として認めてもらえたのも、今こうして俺がこのクラスメイトに正体を教えようと思えたのも。
全部、全部葵のおかげなんだ…。
「というわけで、今を騒がす人気俳優及川蓮はここで退場させていただきます。
3ヶ月間ありがとうございました」
そうして頭をさげると周りからは自然と拍手がわいた。
本当に、初めはヤケクソで決めた普通科生活も、こんな充実したものになるなんて思ってなかった。
普通の男子高校生になれたのも、最初で最後のいい思い出だ。
「じゃ、葵はもらっていきますんで。
では、これからも応援よろしくお願いします!」
葵は調子の抜けたような顔をして驚いていたが、そんなことは無視して無理やり腕を引いて教室を飛び出した。
教室からはまた大きな悲鳴が上がったことは言うまでもない。

