『…………』




『うそっ………』




『キャーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!』




『ほ、本当に、本当にあの及川蓮!?』

『そっそっくりさんとか!?』

『あの瀬田が及川蓮っ!?マジで!?』

『かっかっこいぃぃ!♡』




おぅおぅ、反応がいいねぇ、バラエティセンスありすぎ。この反応を待ってたの。いやぁ、気持ちいいのなんのって。

葵だけが不安そうな顔で俺を見ている。
そんな顔するなよ、安心して。




「必殺、サプライズ返し?」




『キャーーーーーーーー!!!!!!!』

『死ねる!』




なに、俺が喋るたびに叫んでくれるんだ。嬉しいねぇ。




「少し長くなりますが聞いてください。

俺はこの学校の芸能科に通う本物の及川蓮です。
俺はある映画に出演します。そして、その監督に課題を与えられたのが最初でした。
課題は、3ヶ月間、普通科で地味なスタイルで過ごすこと。


初めは俺自身もどうしていいかわからなかった。でも、ある子のおかげで俺の普通科人生がガラリと変わりました。


その子は俺が誰とかじゃなくて、1人の男として見てくれた。
見た目じゃなくて中身を見てくれた。

そして俺も変われたんです。
めんどくさがりだったのに。余計なことはしないタイプだったのに。お節介になってしまいました。


その子のおかげで、このクラスで3ヶ月間過ごせて本当に良かったと思えました。


その子に出会えたこと、このクラスで過ごせたことは、俺の俳優人生にとって本当に大きな糧となりました。」