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『みんな、ちゃんと持ってる?』
『もうすぐくるはずだよ』
蓮の登校最終日。
全ての授業が終わり、もうすぐ終礼が始まる。
蓮が転校するという名目で最後の挨拶をすることになっており、終礼が始まる前に先生に呼び出されているというのは私は前から蓮に聞いていた。
私たちがサプライズをしたいことを先生にも伝え、先生も協力してくれることになったのだ。
そして1番クラスでリーダーシップのある樫月くんがみんなを仕切ってくれる。
『足音がする!みんな静かに静かに!』
ガラッ
扉が開いた瞬間、みんなが一斉に立ち上がる。
「え、なに?」
入ってきた蓮はもちろんびっくりしている。
私たちは予定通りだ。
『水臭いぞ!瀬田!』
『引っ越すなら先に言ってくれないと困るよ』
『全然時間なかったよ』
「は?」
”引っ越す”ということは蓮自身は私にしか伝えていないつもりだったから混乱して当然。
蓮がなにこれ…という風に私を見てくる。
『瀬田くん!悪口とか言ってごめんなさい!』
『黒板消すの手伝ってくれてありがとう。』
『痴漢騒動の件も俺見てた!本当にかっこよかったよ!』

