「葵に出会えたからだ。
昔の俺じゃぁあんなことはしないよ。
なんせ女の子嫌いだから」
「私のおかげって…どういうこと?」
「え?まんまだけど。
葵って口に出すの苦手だろ?なんでも一人で背負い込んで、意地っ張りで、誰も頼らないじゃん?
そんな葵見てたら助けてやりたくなるんだよな。
なんか痴漢のときも黒板消してるやつの時も、なんかぼーっと見てたら葵に見えてきて…。
あれが葵だったらなぁー、って思ったら体が勝手に動いてた。
まぁ俺の頭には基本的に葵しかないってこと」
妬いたの?と少し広角をあげていってくる。
妬くわけないよ…むしろ……。
「わっ……葵?」
私は何も言わずに蓮に抱きつく。
蓮って…どうしてこんなにもあったかい人なんだろう。
「蓮のバカ」
「は?」
「そんな理由で人助けする人なんかいないよ」
「かもな」
蓮も私の背中に腕を回し、クスクス笑う。
「妬いたりなんかしないよ…むしろ嬉しい」
「嬉しい?」
「私が蓮の原動力になれてることが嬉しいの」
まるで蓮の世界が私出回っているようで。
蓮の中で私が欠かせない存在になっているようで。そんなことがすごく嬉しく思う。

