俳優と、恋愛と。






何が…起こった?





「葵ぃぃぃぃいいいいいいい!!!」





そう言って駆け寄ってきたのは一足先に登校していた美結。
美結までこんなに慌ててどうしたんだ…。





「なになになに、なにがあったの?」






「私も…聞いた話なんだけどね、瀬田が、瀬田がね!?」






「あのさぁ、」





瀬田の声が響き渡る。
みんなが途端に静かになる。
どうしたのよ…蓮…。





「うるさいから静かにしてくれるかな?
あと、ここに集まらないで?篠さんが座れないから」





蓮……私のこと気にかけてくれたの?




それよりも、瀬田がこんなにハキハキ喋ることは初めてのことで、みんな驚きが隠せない。





『か…………かっこいいぃ!!!!』

『なに!クールなの!?』

『女たらしじゃない上にクール!そしてかっこいい!!』




ますます熱の入る女子の皆さん。
逆効果だったんじゃないの…?




そんなことを言いつつも、女子の何人かが私に謝って、席を空けてくれる。

私はカバンだけを置いてすかさず美結たちの元へ戻る。




「何があったの?」





「け、今朝ね?瀬田が電車の中で、財宮司学園の女子生徒が痴漢にあっているところを助けたんだって!それで、ついでに犯人も捕まえたって話」





めんどくさいことには極力関わらない蓮が痴漢犯を捕まえた?




「それを財宮司学園の生徒がたくさんみてて、この騒ぎらしいよ」





昨日までと今日の差がすごい…。
これで瀬田が及川蓮とわかったらどうなるだろう。
想像したくもないや。




「……ねぇ、葵の上。これなら瀬田くんのさよなら会できるんじゃないかな?」





「あ、確かに!」