「ありがとう、お姉ちゃん」





「こんなもの大したものじゃないわよ。
まぁ存分に好きな奴の顔をでかいスクリーンで見てきなさい」





言い方は別として、私も実はこの映画を楽しみにしている。
実は実は原作もちゃっかり読んでいたり。


原作を読んだときから主人公瀬田の苦難の後のハッピーエンドに涙していた。




蓮の演技は初めて見たとき…引き込まれたよなぁ…。
あんなにどうでもいいと思ってたのに、私にわざわざ”お前を虜にしてやる”とか言って…私は本当に魅了されたんだよね。





「お姉ちゃん…。
やっぱり蓮の演技ってすごいの??」





「………まぁそうね……初めて見たときから思ってたけど。
頭の回転が早いからアドリブは多彩にこなすし、…まあ特に一番すごいのは、どの演技でも人を惹きつけることね。」





人を惹きつけるかぁ…。
確かに蓮自身の雰囲気も独特だもんね。
きっと人柄から出てるんだろうなぁ…。





「じゃぁ、私はちゃんと渡したから。
彼氏とでも一緒に見てきなさい。
私は寝る…」





そう言うとフラフラ立ち上がって部屋に行こうとするお姉ちゃん。





「お姉ちゃん!!!
本当に…たくさんありがとう…」