あぁ…。
俺がこんな風に今葵を執拗に求めているのは…また葵が去って行ってしまうのが怖いからなのか?
考えてもなかったけど…実際に言われてみるとそうなのかもしれない…。
「信じて……蓮……約束は絶対守るから。
もう言わないよ……離さないでね?」
「当たり前だろ…」
何度か小指をつないで約束したことを思い出す。
約束は守るためにするものだ。
俺がそういったことを葵は覚えているだろうか?
「何も不安なんてない……」
そう…不安なんてない…。
葵と過ごしてわかった。
俺の辞書にはもともと無理なんて言葉はない。
でも、葵と過ごしてそれが確信に変わった。
他人の言う通りに動くことが嫌いだった。
面倒くさいことには関わりたくなかった。
でも俺は変わったよ。
誰かと何か困難を乗り越える…。
それは一人で乗り越えることに比べたら全然小さな壁だった。
面倒くさがりだから人に頼るのも嫌だった。
でも頼ることを知った。
葵に掃除を手伝ってもらって、勉強を教えてもらって、キャスト監督と協力してスキャンダルに向き合った。
俺は…この3ヶ月でどれだけ変われたのだろうか。
まぁそれは葵だけじゃなくて、杉浦みずきや、マネージャー、暮人…そして桐花さん。
俺に関わってくれた全員のおかげだ。

