そして舞台に上がる時間になる。
「さぁみんな、ここまでよくやってきたわね。
これが最後の勝負よ。
自分がやってきたことに誇りを持ちなさい。
行くわよ」
琴李京香…いや、桐花さん。
やっぱりあんたはかっこいいよ…。
そんな凜とした立ち振る舞い、風格、風貌の琴李京香につづいてキャストが舞台に上がる。
湧き上がる歓声。
鳴り止まないシャッター音。
眩しいほどの光。
今日、この舞台を、どれ程待ち続けたことか。
そして、嫌でも見つけてしまう。
愛しい彼女を。
相変わらず、初めて撮影現場に来た時のように、つまらなそうで、顔をうつ向けている葵。
そのしけたツラ……俺が熱くさせてやる…。
そうして進んでいく会見。
俺はもちろん何も隠すことなく、全て事実だけを話した。
どうせ噂されるくらいなら葵との噂にしてほしい。
葵…聞いてるか?
これが俺の気持ちだ……。
報道陣を説得させられるだけの理由。
そんなことを考える以上に、俺の葵への想いが大きくて…。
しっかり考えている暇なんてなかった。
言葉が先に口をついて出てしまう。
目の前に…すぐそこに葵がいるんだ。

