「もちろん私も頭をさげるわ」
「えっ……どうして…」
そう言っている琴李京香の顔は真剣そのものだった。
監督がスタッフに頭を下げて回るなんて…。
「蓮が言ったからよ。
私も蓮の意見に大賛成ってこと。
さ、早速3人で、いや、マネージャー含む5人で、全員に頭下げて回るわよ!!
そして全カット撮り終える!!」
「「はい!!」」
そうして俺たちは必死に頭を下げて回った。
スタッフ、キャスト、原作関係者、スポンサー。
関係者全ての人に俺たちの真剣さを伝えた。
そして、みんなが一つになってくれた。
そしてようやく俺たちはこの映画を完成させられたんだ。
そして、会見当日になった。
***当日(開始前〜)
「すごい人たちだわ…」
「みずき、葵に招待状…ちゃんと渡したの?」
「もちろんです!!」
そんなやり取りが舞台裏で行われる。
俺にとって葵に会うのは1週間ぶり…。
でもずっと葵のことだけを考えて演技してきたから、少し変な感じがする。
「ちゃんとドレス届いたのかな?」
そう聞いてくるのは杉浦みずき。
俺は1週間の撮影の間の休憩時間、たまたま立ち寄った店でたまたま見つけたドレス。
一目見て葵に着せたいと思った。
葵の体のサイズは何度も抱きしめているからなんとなくわかっていた。
俺ってある意味すごくない?
葵が来てるなら、きっとそのドレスを着てくるだろう。

