『いや、俺の方が先に目をつけてた』
『目をつけてたなんて関係ない、俺が一番先に話しかけた』
『卑怯だぞ!』
そうして次々に加わっていく事務所関係の人たち。どうしたらいいの…。
「あの……」
混雑する中で一度落ち着いてと言おうと思ったものの、事務所の方々はだいぶ揉めてるようで、逆に押し返され、転びそうになる。
履き慣れないヒールだからバランスも取れない…。
こける……。
そう思った時だった。
「パーティーの妨げになるので、こういった場所でのスカウトは避けてもらえませんか?
大事な親友のパーティーなので。」
そう言って私が倒れるところを後ろから支えてくれた。
この人は……。
「周りの人も迷惑してあなた方のことを白い目で見てますけど?
どうしますか?まだ続けますか?
それか、僕があなたたちの対応をしましょうか?」
事務所の人を見るこの人は、顔は笑っていても…目が笑ってない……。
事務所の人たちは、やっと自分たちの立場を理解したのか、ゾロゾロと会場を出て行ってしまった。
助かった……。

