その矢先、いつもやる気のない、堤さんに日誌を押し付けられている瀬田祐樹を目撃してしまった。
周りのみんなは知らないふりをして帰っていく。
瀬田祐樹は転校して来たばかりで日誌なんて書けるはずがない。
そんな無残な姿の瀬田祐樹を放っておけなくて声をかけてしまったのだ。
正直、日誌を書くなんて面倒臭い。
それに、今週中に私にもまた日誌が回ってくるのだ。
でも仕方ないと思って、瀬田祐樹も出て行った教室で一人、日誌を書き始める。
「記載者は…瀬田祐樹にしとこう…」
カリカリ
ガラッ
誰かが教室に入って来た。
でも無視。
気にしていると面倒だからそちらの方は向かずに、日誌を書き進める。
すると、足音が私に近づいてくる。
「……………」
私の目の前で足を止めた人物。
つい誰だ、と思って顔を上げてしまった。
「……………瀬田祐樹?」
「なんでフルネーム……」
目の前にいたのは瀬田祐樹だった。
帰ったんじゃなかったの?
「なんでいるの?」
「………俺の仕事だから」
分厚いメガネをかけているせいで全然表情が読み取れないけど…。
どういうことか全然把握できない。

