「ふぅ……」





ダメガネ…と呼ばれる転校生の瀬田祐樹が教室を去っていった。





私は、瀬田祐樹が座る席の前の席の
篠 葵。


漢字で書くと2文字と言うなんとも短い名前。
別に自分の名前が気に入ってないわけではないが。





財宮司学園普通科は、エリート中のエリートの高校生が集まる高校。
そんな高校の転校生と聞いたら、気になるのが普通だろう。


私も気になっていたうちの一人。




でも転校生の彼は、勉強が全くできなかった。
それが学校みんなのネタになってしまった。




先生たちも転校生の彼が勉強できないことは知らなかったみたいだし。
そんな謎の彼が少しかわいそうに思えてきたのが昼休み。





いつの間にか彼には”ダメガネ”というかわいそうなあだ名がつけられていた。

私は別に人がどんな人であろうがどうでもいいタイプだから、必要最低限に関わることに決めた。