俳優と、恋愛と。






蓮が芸能科から普通科に移った理由。
それは私の家で勉強会をして、瀬田祐樹が及川蓮だと判明したときに、蓮が教えてくれた。

“恋をするために普通科に来た”

そう言っていた。





そんなこと忘れてたなぁ……そんなこと…考えずに蓮に恋をしちゃって、付き合えたんだよね。
蓮にとったら、やっと課題が達成できたんだ…。





「及川君は今まで恋愛なんてしたことなかったの。葵ちゃんがいたから、及川君はあの映画の主演として輝けたの。
その葵ちゃんがいなくなってしまったら、及川君はあの映画の役を降りるしかない。」






蓮が役を…おりる?
俳優や芸能界の人にとって、演じていた役を途中で変わらされる気持ちはどのようなものだろう。
きっと悔しくて、辛くて……悲しい。






「それが葵ちゃんの望んでたことなの!?
葵ちゃんが及川君のため、及川君の将来のため、なんて言うのは間違ってるよ!!」





私は……蓮のマネージャーさんに言われて…蓮のためだと思って…別れを選んだ。
別れたくなんて…なかった。

でも蓮のためだと思ったから…蓮の夢を応援したいと思ったから…私は…。

私がしてきたことは意味がなかったというの?
私が蓮を思ってとった行動は、蓮にとって…なんの意味もなかったの?

むしろ……私が蓮を台無しにしてしまったの?