「葵ちゃんは……好きじゃないの?
俳優とか一般人とか関係ないよ!!
一番重要なのは、気持ちじゃないの?
一般人俳優に恋しちゃダメとか、俳優が一般人に恋しちゃダメとか、そんなのないよ。
及川君は、俳優である前に、葵ちゃんと変わらない!高校のただの学生なんだから!!」
みずきさんが向かいに座る私の手を両手で握って強く訴えかける。
演技ではない、本気の言葉なのに、女優だけあって、心の奥底まで響き渡る。
「葵ちゃんは……及川君がどれだけ葵ちゃんのことを好きか、わかってない。
葵ちゃんは何もわかってないよ。
昔の及川君と同じ…恋愛初心者だよ…」
蓮が……私を好き?
そうであってくれたらどれだけ嬉しいだろう。
あんなに最低な言葉を言われて…蓮がまだ私を好きなわけがない。
私を嫌いになってくれればいいんだ。
「葵ちゃんとすれ違うようになってから、及川君がどうなったか知らないでしょう?」
知らない。
避けるようになってから、蓮のことは最低限見ないように、話さないようにしてきた。
自分の気持ちを落ち着かせるためにも。
「及川君…最低の演技になった。
演技に迷いが出るようになった。
及川君だって…恋愛初心者なの……。
恋をするために普通科に通って、葵ちゃんと出会った。
及川君が今まで最高の演技を演じれてたのは、葵ちゃんのおかげなの…」

