お姉ちゃんが家を出て行ったきり、約1週間、帰ってくることはなかった。
そして同じくして蓮…瀬田も学校に来ることがなかった。
先生は重い風邪とかなんとか言っていたけど、もともと地味な格好をしていた瀬田をクラスメイトは特に気にする様子もなかった。
そして1週間が経った頃には、及川蓮と杉浦みずきの熱愛のニュースは全く見られることはなかった。
ただ、事が公になってしまった以上、しばらく2人の話題が世間で止むことはなかった。
「瀬田、学校に来ないね。」
「そうだね」
放課後の帰り道、美結に話しかけられるものの、曖昧な返事しか返せない。
私が蓮と別れた事実も変わってなくて、みずきさんと蓮の熱愛も嘘だと決まったわけではないのだ。
1週間経ち、蓮と全く会わなくなっても、私の蓮への気持ちが変わることはなかった。
「ねぇ……どうして別れちゃったの?」
「…………」
美結には付き合ったことも、告白されたことから全部話した。
別れたということは、いつ伝えたんだっけ。
でも今日が初めてだった。
美結が理由を聞いてくるのは。
「遠い……存在だったの。私とは住んでる世界が違うかったの」
蓮との恋愛で、普通の高校生の恋愛を求めてはいけない。
蓮は芸能人で私はただの一般人。
今でも怖い。もしあの報道の矛先が、私だったらと思うと。
みずきさんではなくて私だったら……と思うと、別れて正解だったのかもしれない。
「本当にそう思ってるの?」
「え?」
美結が足を止めて私に言う。
夕日に照らされて…眩しい……。
「本当に瀬田と葵は住んでる世界が違うの?瀬田はそんなこと思ってるの?」

