「は?」
なんなんだこいつ。もしかしてこいつも日直だったとか?
でも、黒板の隅に書かれている日直欄には、俺と堤さんの名前しかない。
「堤さんに押し付けられたんでしょ?
初日なのに書くなんて無理だよ。
だから私が書いて提出しとくから、帰っていいよ」
「………ありがとう……」
みんなが俺をバカにしているのかと思えばこいつは違うかった。
なんだ、普通のやつもいるじゃねーか。
そう思いながら、篠の差し出した手に、日誌の紙を渡す。
さぁ帰ろう…。
無駄な仕事も代わってもらえたし。
正直、芸能科に日誌なんてなかったし書くのは初めての経験だった。
少し楽しみな気持ちもあったが、篠が親切でしてくれるならいいじゃないか。
そう思って廊下に出て、下足に向かう。
でもいいのだろうか。
このままではいつもの俺のまま。
何も変わらない。
低燃費で、面倒くさいことが嫌いな俺と、何も変わらない。
俺は普通科に何しに来たんだよ…。
そう思うと、下足までたどり着いた足が、自然と教室の方にまた向いていたのだった。

