辛かった。
蓮にあんなことを言うのが。
自分でも最低だと思った。
心の中と言っていることが違う。
すごく心が痛かった。

なにより、蓮の傷ついていく顔を見ているのが辛かった。






蓮、どうか私を嫌いになって。
私は最低な女なの。
私のことを……世界一嫌いになって。
そうしたらけじめがつくから…。





泣かないと決めていた。
私は基本的に泣かない。
でも蓮の前ではどうしてかいつも弱い部分が出てしまう。
今日も……気づいたら涙がほおを伝っていた。

蓮に触れられた腕から熱が伝わってきた。




蓮は最後まで本当の私を信じてくれてた……。
でも私はそんな彼を裏切ったんだ。






「蓮っ!蓮っ蓮っ。
好きだよっ……好きなのっ……大好き……」





伝わらないこの想いはどこにしまっておけばいい?
1週間考えた。
蓮を避け続け、蓮のいない世界を取り戻そうとした。




でも……蓮のいない世界は……空っぽの世界だった。
もともとこういう世界に生きていたはずなのに…蓮がいなくなった途端、何もかもを失った。