データ資料室にて、盛大に大声で叫び、退出すると、私はどういう経路で行ったのか思い出せないが…屋上にいた。
「うっ………」
私はとうとう我慢できなくて、泣き崩れてしまう。
「うああぁぁぁぁぁぁああああ!!」
別れたくなんてなかった。
大嫌いなんて嘘だよ。
蓮に飽きたなんて嘘。
俳優だから遊んでみたなんて嘘。
瀬田を好きになったの。
ダメガネなんて思ったことないよ。
及川蓮が顔だけなんて……大嘘だよ……。
全部……全部嘘だから……もう一度あの大きな手で頭を撫でて欲しい。
たくましい腕で優しく全身を包み込むように抱きしめて欲しい。
あの甘い唇で、甘い、忘れられないキスをしてほしい。
お願いだからもう一度……。
私に蓮を好きになる資格をください。
私と蓮は……異世界の人。
結ばれてはいけない。
蓮の夢…初めて聞いた蓮の夢。
誰からも認められる俳優。
かっこよすぎるよ。
かっこつけすぎ。そんな風にカッコつけていいのも私の前だけにして。
でもそんなわがまま言えなくて。
夢を聞いた途端に私は足手まといになると悟ってしまった。