葵は俺を置いて出て行ってしまった。
一番聞きたくなかった言葉を残して。
初めて……葵に”大嫌い”と言われた時。
死んでもいいと思った。
葵に愛されないくらいなら…生きている価値なんてないんじゃないかと。
中二のような感覚だけど…本気でそう思った。
いつの間にか俺は葵なしでは生きていけなくて…葵がいなければ歩きできない。
「葵………」
もう一度……好きだと言ってくれないか。
あの時のように…好きだと。
嘘だと言ってくれないか……。
葵は他の女とは違う…ルックスで判断するような奴じゃない。
なにを言われようが…今まで葵を見てきた俺には…そうとしか思えない。
平気で人を傷つけるような奴じゃない。
何があったか教えてくれよ……。
俺を頼ってくれよ……。
歌田さんとの約束も、杉浦みずきとの約束も、なにも守れやしなかった。
守るまえに俺は…関係を終わらせていた…。
ピリリリリリ
「はい…」
突然鳴った電話に無気力に出る。
『蓮!?今どこ!?』
マネージャーのようだ。ひどく焦っているようだがなにがあったのだろうか。
「学校だけど、なに?」
今日は撮影の予定なんてない。
マネージャーに会う予定もない。
『10分後。迎えに行くから、東門に来なさい』
そう言うなり切れてしまうマネージャーの携帯。
なんだよいきなり…なぜ迎えに来る?
東門とわざわざなぜ指定する?
普通科は西門から出れねーっつーの。
マネージャーに呆れながら俺は葵のことで頭がいっぱいだった。

