俳優と、恋愛と。






「蓮……ごめん……心配かけて。もう大丈夫だから。帰ろう……」






「は?」






葵はそう言ったかと思うと立ち上がってスタスタと歩いていく。
少し震えている葵の体が、暗闇が怖いんだと示している。






「葵……待てよ……」





そう言って手を繋いでも強張る葵の体……。
安心して欲しいのに……。





「送る………送らせろ」






「………うん…」






その後、どうやって家に帰ったのか正直覚えてない。
葵の家まで行く間も、一言も話すことなく、葵の家に到着。
葵は俺にお礼だけ言ってすぐに家に入ってしまった。




そして自宅にいる。
広すぎる家。
母さんと父さんが一人暮らしをする俺のためにわざわざ買った家。
それは一人暮らしするにはデカすぎた。



昨日まで……幸せだったはずなのに……。
ほんの一瞬のことだった。




「明日になれば……葵も元気になってるよな?」






まだ、付き合ってから俺たちは2日しか経っていなかった。