ボーッとしていた俺に杉浦みずきが教えてくれる。
「あ……すみません…」
「及川君大丈夫?なんか撮影中も…ボーッとしてたし…葵ちゃんのこと??」
「っ…………」
図星だ。集中しないといけないのに……さっきの葵の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
俺の熱がうつってしまったのか…体調が悪かったのか?
心配で仕方がない。
「蓮……」
「あ……」
琴李京香が緊張感ある面持ちで俺の側に来る。
言われなくてもわかる…琴李京香は怒っている。
「あなたにとって今一番大事なことはなに?」
「………撮影です…」
「違うでしょ」
「え?」
「あなたの中に今一番にあるのは撮影じゃない…。頭を冷やしなさい。
もう一度いくわよ」
「はい」
琴李京香にはすぐにバレる。
俺が今集中していないことを。

