「いきなりごめんなさい」
「いえ……」
「………こんなこと言うの……間違ってると思うんだけど……」
緊張感が走る。
いい話題ではなさそうだ。
「単刀直入にいうわ…。蓮と別れてくれないかしら?」
「えっ………?」
今……なんて……。
「あの………えっと……」
頭がついていかない。藤堂さんは…今…。
「蓮にとっては、こらからなの。
芸能界で生きていくにあたって、蓮が仕事の波に乗って行くのはこれからなの。
その蓮の人生に……あなたは足かせになってしまうの。」
私が……蓮の……足かせ?
まるで金槌で頭を殴られたような感覚。
「この映画が売れれば、蓮の人気は爆発的に上がる。そしたら蓮はもっと上に進む。
そんな蓮にとってあなたは足かせになる。」
「足かせ……。」
私が蓮の足かせ……。
蓮にとって私は……邪魔。
「………。いきなりこんなこと言われても戸惑うかもしれないけど…考えて欲しい。
もともと…あなたと蓮の住む世界は違うの」