お姉ちゃんが迎えにくるのは意外と早かった。
蓮は思ったよりも体が冷えてて、少し心配。
私を見る顔もボーッとしてるような…していないような。
そんな中2人でお姉ちゃんの車に乗り込み、蓮の家に到着した。
蓮の家は住宅街の中でもひときわ大きな家だった。でも電気が付いておらず、誰かの居る気配もしない。
「蓮……大丈夫?」
「おー、気をつけて帰れよ」
蓮が鍵を開けて、真っ暗な家に入っていこうとする。
私はボーッとしている蓮が心配で玄関までついてきた。
気をつけてと言った蓮は私の頭を軽く撫でて、入っていく。
「……ちゃんと鍵閉めるんだよ?」
「おー」
面倒くさがりだけど…いつもはちゃんとしてくれる返事も今は空返事。
様子がおかしいように見えるのは私だけ?
それに……こんな暗い部屋に蓮を置いていくことに少し抵抗を感じる。
「じゃぁ帰るよ?ちゃんと寝てね?」
「わかってるってー」
弱々しい返事に心配になりつつも、扉を閉めて、お姉ちゃんの車に戻る。
「蓮、大丈夫なの?なんかボーッとしてたけど」
さっき少し会っただけのお姉ちゃんにもわかるくらい蓮はボーッとしていたのか…。
それ以上に、誰もいない大きな家に、蓮一人でいさせることが…。
「お姉ちゃん……私、蓮のそばにいる……。
私が酔っ払った時だって…蓮は朝までそばにいてくれたんでしょう?」
「そうねー、じゃぁ気をつけてね。葵、シャワーだけは浴びなさいよ?」
「うん」