俳優と、恋愛と。







俺とのキスにヘロヘロになった葵の頰は真っ赤で、夕陽でより一層赤く見える。






「葵真っ赤だよ……超可愛い……可愛すぎ…」






「ばかっ……はぁっ………しんどい」






久々に聞いた葵の暴言。口癖。
でも疲れ切ったヘロヘロの葵のその言葉にはなんの威力もなく、むしろ可愛い抵抗にしか見えなかった。






「好きだよ」





「ん……」





「葵が好き。ずっと。ずっと惹かれてた。

日誌を一緒に書いてくれた。
化学室の掃除を手伝ってくれた。
そんな優しい葵が好きだよ……」





「は……恥ずかしいから……」





まだ足りない。俺の気持ちはこんなものじゃない。
頬を真っ赤に染めて、潤んだ目で俺を睨む葵。
そんな葵の両頬を両手で包んで間近で目を合わせる。





「暗いところが嫌いな葵。
雷が怖い葵。
俺の前だけ泣き虫な葵。
強がりな葵。
意地っ張りな葵。
素直じゃない葵。
頭のいい葵。
優しい葵。
可愛くて可愛すぎる葵。

全部好きだよ。全部俺のもの」