するといきなりの大きな波が葵の足をさらう。
「キャッ」
「バカッ」
案外葵はどんくさいなと思いながら手を伸ばして助けようとした………ものの。
「げっ………」
俺は砂に足を取られてうまく歩き出せなくて。
葵を逆に押し倒してしまった。
「………………悪い………」
超カッコ悪い…。というか…。
絶対小言を言われる。
想像できる言葉が頭に浮かぶ。
『蓮のバカ!』
『なにすんのよ!』
『最悪』
聞きなれた葵の暴言。
さて今回は何を言われてしまうだろう。
そうして俯いたままの葵を見つめていると、
「ふふふっ…………あはははは!!」
は?なんで笑ってるんだ?
今は俺が押し倒してしまって、葵はしりもちをついていて、俺がそれにかぶさっている。
お腹を抱えて笑っている。
こんなに笑っているところを見るのは久々で……山の中で初めて見た葵の笑顔を思い出す。
「青春っぽいね!」
「っ……//」
ニコッと笑った葵の笑顔。
沈んで行こうとしている赤い太陽の光が海で反射して、葵の笑顔をキラキラ照らす。
少し濡れた髪が葵の首や顔に張り付いて色っぽい。
「あー、楽しかった。
こんな風に一日中色んなこと楽しめたの久しぶり…」

